男の子軍団で新しい遊びが流行っています!
その名も「ブレイクボンバー」

4年生が学校の工作で使ったビー玉がきっかけで生まれた遊びです

コマ板の上に、のりや木のパズルや缶を並べて、基本的にはそれをビー玉で倒すゲーム

その時によって「3つの障害物を先に全部倒したら勝ち」「3回のうち多く倒した方が勝ち」などルールを変えて遊んでいます

ビー玉の回し方も遊びの大事なポイント

バックスピンをかけたり、ジャンプさせる方法を考えたり…そして、その1つ1つに技の名前がつくのが彼ららしいところ

障害物の位置もその時々で変えるので、将棋板を使って坂道にしてみたり、同じものを縦に並べて倒せるかどうか試したり、アイディア次第で広がっていきます!
「より楽しく遊ぶために」男の子達はいつだって真剣です。
この2日間、珍しく、かずやとたくみが2人とも泣き出す大ゲンカになりました。
昨日のケンカの原因は、障害物の下に敷くコマ板のこと。
たくみとりょうへいが遊んでいる所に、「一緒にやろう」と来たかずやが「こっちの板の方がやりやすいよ」と言ったところから始まったのですが…先にバトル場を作っていたたくみは、板を変えたくない気持ちがきちんと言葉にならず、それをかずやが「無視された」と思ってしまい、ケンカになってしまいました

指導員が間に入ってお互いの気持ちを代弁すると、2人ともすぐに納得して「本当はどっちの板でもいいんだ

今日は、障害物の置き方のことでぶつかってしまいます。
じょうのすけとかずやの(遊びの)バトル中、自分側の障害物の置き方が不利になると思ったかずやがそれを言うと「それはないと思う」と、周りにいたたくみとけんすけが言った事から始まりました。
そこでかずやは「じゃあやってみれば?」と言いますが、たくみが「やってないからわからない。」と言い返し…
話がかみ合わずイライラしたかずやは「だから、やってみればって言ってんの!わかんないヤツは出て行け!」と怒ってしまったのでした。
たくみは、何故かずやが急に怒ったのかがわからず「出て行け」と言われた事がショックで「じゃあ出て行く。」と部屋を出てしまいました。
指導員が4人を集め、“何が起こったのか”と“それぞれの気持ち”を1つずつ聞いていくと、どうして今回かずやとたくみがぶつかったのかが見えてきました。
昨日の事も今日の事も、話してみればお互いの言い分はわかる。
でも、感情がついていかない…そして、何故相手が自分と同じように物事を考えられないのかが受け入れられない…そんな時期にぶつかっていたのです。
かずやもたくみも、もうすぐ5年生。
ちょうど、自己と他者の間で葛藤する成長の時です

かずやとたくみには、こう話しました。
「とても難しいことかもしれないけどね、2人が“ちがう”っていう事なんだよ。かずやは、1つの言葉や1つのひらめきでパッと考えたり動いたりする人だけど、たくみは、何かを作る時も、考える時も、1つ1つをじっくりやる人。それぞれ違うスピードで考えたり、思ったりしてるんだよ。でも、2人ともそれでいいの。“ちがって”いいんだよ。それをお互いに理解するために、これからもきっとぶつかると思う。でもその度に相手のことがわかるから、何度でもぶつかればいいよ。」
話しているうちに、かずやの顔もたくみの顔も晴れやかになっていました

「そうか!オレ達はS極とN極だな。」
「いや、反発するからN極とN極か…?」
「いや!SとNだよ!遊ぶときはくっつくし!」
最後にはこんな言葉を2人から聞くことができて、何だか嬉しくなりました

一緒に遊んでいたじょうのすけとけんすけも、2人の話し合いの行方を一緒に見守ってくれました

じょうのすけは、今回のケンカには結局関係はなかったのですが、「オレも…」と最後までじっとみんなの話を聞いていました。
けんすけは「そういう事なんだよな!オレとてるやもずっとそうだったから。」と照れ笑い

「いつも遊んでるけど、かずやはてるやみたいにすぐ怒ったり騒いだりする所が似てるし、たくみはオレと同じでのんびりしてたり、よくわからなくなったりする所が似てる。」と、自分の事に置き換えて話を聞いてくれました

“違い”を理解するのはとても難しいことだけど…こんな風に全身でぶつかりあえるのは今だけだから、この時期に大切な事を学び取ってくれたらいいな、と思います

(指導員:長谷川)